廃藩置県から130年の夏

 梅雨明けも間近いある7月の中旬、山口県旧県庁舎と同県議会議事堂前に立った。熱気のため、湿気をおびたコンクリートからは陽炎が燃えたち、これらの庁舎が竣工した大正5年7月もかくばかりと思わせるのに十分であった。明治4年7月の置県とともに、山口県庁は旧山口藩庁に置かれた。この庁舎は後に取り払われ、「新庁舎」が着工されたのは大正3年のことである。置県から130年、庁舎の完成から80年近い歳月が流れようとしていた。両庁舎は昭和59年12月、国の重要文化財に指定されている。山口藩の、そして日本歴史の「黎明を告げる生き証人」ともいえる、これらの建物が物語る『山口県の成立』を追った。

旧山口藩庁門 旧山口県庁舎

▲旧山口藩庁門 毛利敵親は萩から山ロヘ政庁を移す。廃藩置県後は最初の県庁となる。

旧山口県庁舎は議会議事堂と共に昭和59年12月重要文化財に指定された。