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織田子青
子青の碑 子青の句

 “日清戦争直後に生まれた、アプレゲールである”と、織田子青は自著「書家偽庵先生伝」に書いている。アプレゲールとは「戦後派」の意味から転じて旧来の秩序、道徳、文化への反逆傾向を指す。
 明治29年、愛媛県周桑郡小松町石根(現西条市)生まれだが、大正14年以来今治市に在住。書道界の一大組織・書神会を創立した人。雅号に“糸”の“糸青”と草書で書いているうちに“子青”となった。大正8年上京。小学校教師のかたわら童謡も書く。「夏あくび」と題する童謡が郷里石根小学校に建設されている。
 書のほか印刻、漢詩、俳句に優れた人であった。今治市の55番札所「南光坊」の筆塚のこの句「雲の影―」は松本芳翠との交友から生まれた。またこの句碑と対の「呼びとめて遍路笠をぞ脱がせける」は、日本を代表する書家・河村驥山との心温まる交流から生まれた。
 “おしのび”で四国遍路中の驥山を南光坊でとらえた際の句だ。句作においても、ほのぼのとしたエピソードを残した大家であった。昭和59年6月死去。

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